積み重ねた日々
展示会に来場され、ご自身の絵をしっかりと見つめる男性
奥様とお姉様も一緒に来場して下さいました。
お客様が言われた「一本一本の線は頼りないように繊細だけど一枚の絵に
なると静かな力強さのある絵ですね」
そんな言葉に男性のこれまでを重ねています。
平成元年に倒れてもう30年。
左手で描く絵は温かく優しく、言葉の自由を失った男性に代わって雄弁に
あるべき道を教えてくれます。
木々は一枚一枚の葉ですら自らの足元に落とし
幾重にも幾重にも重なって土地を肥やします。
30年。ご本人とご家族が大事に過ごされてきた一日一日は
ひとつの実りを迎える事が出来ました。
途方もないような毎日を 歯を食いしばった日もあったでしょう
なにより働き盛りの仕事人が自分らしく過ごせない事が
一番悔しかったのではないかと思います。
本当に良かった。
また一つのはじまり。