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マスターの所作
- roren0312
- 2018年2月24日
- 読了時間: 2分

小脳出血により四肢に麻痺が残った男性
まだ若く 高齢者のデイサービスに馴染めるかはご家族も気がかりにされてい
ました。
読書をして過ごすことが多く、寡黙な男性ですが絵も上手く、音楽にも詳しい芸
術肌。
「コーヒーを淹れてみませんか?」
そう促したのは彼が喫茶店のマスターだったから。
病気によりお店はたたんでしまったけれど
その続きをデイサービスでやってもらいたい そんな話をしました。
動線や、揃える物品、安全にできる工夫や身体の使い方も確認しながら。
当日は施設長をお客さんにコーヒーを淹れてくれました。
カップを温めておくこと ペーパーフィルターにお湯をくぐらせておくこと
注がれるお湯は細く とんだ水滴も布巾ですぐに拭いて
現役時代にやっていた 美味しく 美しく淹れるための所作は決して省く事なく。
少し変わったのはドリップの時に揺れる手をもう片方の手で押さること。
その額には汗が粒になっていました。
緊張しましたか? そう聞くと
「人見知りなんよ」とだけ答えて笑っていました。
病気は一人称の世界を作ってしまいます。
「私は病気だから-。」 「私なんて-。」
ほんの少し顔を上げて欲しい
あなたの活躍を待ってる大切な人もいるし、期待もしています。
また居場所だって作れるはずです。
最後に聞いた「来週コーヒーどうしましょう?」
その問いには揺れる手を持ち上げてVサインを。
そして 「まかせて」 と言ってくれました。
とても素晴らしい日。