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叩いた石橋

  • roren0312
  • 2017年9月22日
  • 読了時間: 2分

ご主人を亡くされた後、本当に色々なことがあったそうです。

すっかり自信を無くされ、それが言葉の端々に現れます。

若い頃の話、洋裁が得意だった話、娘様の洋服を作られていた話

沢山のお話をして下さいますが、最後には

「もうあの頃と別の人間になってしまったから」

という言葉が続きます。

そんな彼女と取り組んでいたのはレザーのコートの解体

それは素早く、そして丁寧で。

そこで解体したコートからポーチを作る提案をしてみました

「私はもうできない」

彼女の第一声でした。

それから2ヶ月

解体が終わったコートを何度も手に取る彼女に

しつけだけでもしてみないかとお話ししました。

「しつけだけですよ」と笑って取り組まれた後、彼女からでた言葉

「ここまできたら縫ってみようかしら。できないかもしれないけど」

失敗したくない葛藤の中踏み出した勇気に心が震えました。

写真はミシンをかける前に何度も試し縫いした布の一枚

横に座る僕に何度も何度もミシンの使い方を確認しながら。

ポーチはまだできていません。

何度も縫ってはほどきを繰り返し、自身が納得のいくゴールを探します。

それでいいのです。

僕は「ポーチ」を求めてはいません。ポーチは副産物です。

不安で、自信がなくて、あの頃と別人になってしまったと話す彼女が

踏み出した一歩が何度も行なった試し縫いなんです。

気長に彼女のペースで続けていければいいなあと。

そして最後にセラピストの存在が消えていくことを望んでいます。

 
 
 
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